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なんともしぶい笑顔のティエリー・ミュレ氏。チョコレートの本場、ゴディバの本拠地であるベルギー生まれの45歳。チョコレートとの出会いは1984年。妹に、「これからはチョコレートの時代よ」とすすめられ、シカゴで「ラ・ショコラテイエ・ル・カラク」というショップをオープンした。その後、幅広い知識と経験が評価され、1989年にゴディバに入社。現在は商品開発を担当している。ベルギー・アントワープのメートゥル・ショコラティエ・ゴサンから「オブリエール・ショコラティエ・コンフィズリェ・グラシエ」の称号を受けている。

2006年・ゴディバの「バレンタインコレクション」。上からピンクのハート型ケース・11粒 ¥3,360、青色ケース・9粒 ¥2,310、紫色・9粒 ¥2,310、ベージュ色ケース6枚入り¥735、「バレンタインパッショントリュフ」4粒¥1,575
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「わたしはいつでもどこでもチョコレートのことを考えています。それだけチョコレートに恋をしているのです」と笑顔ながら、チョコレートに傾ける情熱を熱く語るミュレ氏。
「ある日妹から、”チョコレートが今とても人気なのよ”とそそのかされ、勉強を始めたのがこの世界との出会いでした。日ごとにチョコレートへの想いは強くなり、高校を卒業後、シカゴで妹とショップを開いたのです。試行錯誤を繰り返しながらチョコレートづくりを続けました。そして、1989年に自分でゴディバに履歴書を送り、採用されたのです」。
ゴディバのチョコレートはまるで宝石のような美しいデザインが特徴で、日本人はもちろん、世界中の人々を魅了し続けている。まばゆいばかりの一粒に対する創作のアイディアはどこから浮かんでくるのだろうか?
「たとえば、ジャスミンやミントの香りに触れるとします。次第にわたしのなかで、”もしジャスミンとチョコレートを合わせたらどうなるのだろう…”と想像がふくらんでいきます。旅行もインスピレーションのひとつです。以前に、日本を訪れた際に着物を見て、素材や色などから強い刺激を受けました。この着物というキーワードが、チョコレートのデザインを考えるときのヒントになったりするのです。しかし、世界中の人々から愛されるものを作るには、そのときの流行や消費者が求めているものをしっかりと理解する必要がありますね。だから、どんなに周りから”早く完成させて欲しい”とせかされても、自分が味に納得しなければ先に進めることはありません。ひとつのチョコレートが完成するまでには最低でも1年はかかるし、100個以上は作ります」。
日本に来るのは今回で2度目。日本のゴディバファンへの印象についてたづねてみると、
「日本の皆さまは新しいものへの好奇心が非常に強いですね。しかも、味やデザインだけでなく、材料や、たとえばココアの量にもこだわるところが、日本人の味覚の繊細さを表しているように感じます。また、日本の市場での競争が世界中のショコラティエを刺激し、新しいチョコレートが生まれるきっかけにもなっているのですよ」
では、2006年のゴディバのバレンタインチョコレートの特徴は?
「今回はパッションフルーツとストロベリー、2つのフレーバーにこだわってみました。深い味わいを持つパッションフルーツとストロベリーのピューレを濃厚なチョコレートでくるむことで上質かつリッチな味に仕上がったと思います。今年のバレンタインチョコレートのコンセプトは”知的でキュートな大人のパッション”です。このパッション=情熱こそが、わたしのチョコレート作りの原動力なのです。人は情熱的でなければ、成功できないですよね(笑)」
まるでチョコレートをつくるかのように、一つひとつことばを選びながら丁寧に応えてくれたミュレ氏。人を幸せにする力のあるチョコレートは、彼らの情熱とドラマにささえられている。 今年のバレンタインは「自分へのプレゼント」として購入することが流行だとか。わたしもひとつ買って、つくる人の顔を想いながらひとりでゆったりいただく極上タイムを過ごしてみたい。 |